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谷垣禎一の母方祖父は、対中和平工作推進者であり、汪兆銘政権樹立の立役者・影佐禎昭

当初、影佐は、“田舎侍”で、“若気の過ち”ゆえ、自他ともに認める対中国強硬派であったが、
参謀本部で中国関係の職務を歴任するにあたり、大局を読み、次第に和平論者に転向していった。

昭和15年3月、南京に成立した汪兆銘政権は、“謀略”、“傀儡”と捉えられたが、
影佐はそうは考えていなかった。

汪兆銘工作は、日中戦争を和平に導くことが出来なかったという点では、失敗であったが、
影佐の構想では、裏で和平の地盤を固めた後、
汪を仲介として最終的に蒋介石と和平を結ぶというものであった。

(蒋介石は、15年9月日本が結んだ日独伊三国同盟以降、
連合国陣営の最終勝利を確信するに至り動かず、泥沼戦争の様相は、かえって深刻化するに到った。)







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●影佐禎昭・谷垣禎一家系図
影佐禎昭
(かげささだあき)
陸軍中将、汪兆銘政権軍事顧問/陸軍・中国専門家/
現在の広島県福山市に影佐造次の長男として生れ、影佐家は代々広島浅野藩士の家系で、
漢学を家学とし、祖父は槍の指南番をつとめていた。父は小学校長をつとめた。
小学校を終え、大阪にいた姉の嫁ぎ先に寄宿して大阪府立市岡中学を経て、
陸軍士官学校(26期)、陸軍大学校卒。
昭和4年参謀本部から中国に派遣され、参謀本部支那班長・上海駐在武官などを経て、
昭和12年から参謀本部支那課長・同謀略課長となり、 一貫して中国関係の情報活動を続けた。
蒋介石と対立決別した国民党親日派の首領・汪兆銘に協力して、
汪政権樹立工作、いわゆる「梅工作」を担当した。
影佐大佐を中心とするこの工作機関は「梅機関」あるいは「影佐機関」と通称され、
犬養健らと、汪兆銘政権樹立に真摯な情熱と努力を傾けた。
14年支那派遣軍総司令部付となり、翌15年汪兆銘政府樹立後は、その軍事顧問となった。
17年、東条英機首相は「影佐は中国に対して寛大すぎる」と判断して、
第7砲兵司令官として北満国境へ転任させ(のち中将に進級)、さらに18年、
戦死間違いなしと言われていた激戦下のラバウルの第38師団長に任命した。
しかし、米軍はこの要点を飛び越えて日本本土へ向かい、主戦場から孤立したまま終戦を迎えた。
21年5月復員、中国から戦犯指名を受けたが、長期の肺結核のため、23年9月、55歳で死去。
関連本
日中の架け橋―影佐禎昭の生涯」浅田百合子/著
揚子江はいまも流れている」犬養健/著
谷垣専一
(せんいち)
衆議院議員(自民党)、文相、農林官僚/
東京帝大法学部法律学科/
昭和11年農林省に入省。満州で日本からの開拓農民の指導にあたり、
この時、影佐禎昭と知り合い、昭和19年、長女・安紀と結婚。
農林中央金庫監事だった昭和35年、衆院選に出馬して初当選。
建設政務次官、厚生政務次官などを歴任、51年に落選したが、
54年11月の補選で返り咲き、同年11月の第2次大平内閣で文部大臣を務めた。
宏池会(大平派・鈴木派)に所属、宮沢喜一を支える“七奉行”の一人に数えられてきたが、
58年5月に引退を表明、療養を続けていたが6月没。
谷垣禎一 衆議院議員(自民党)、財務相、科学技術庁長官、弁護士/谷垣専一長男/
東京大学/
昭和58年父の死に伴う補選で衆院議院に当選。衆院議事進行係、郵政政務次官などをつとめ、
平成9年第2次橋本改造内閣の科学技術庁長官に就任。
以後、金融再生委員長(小渕、森内閣)、産業再生機構担当大臣(小泉内閣)等を歴任、
平成15年より財務大臣。
■「谷垣さだかずホームページ
関連本
谷垣信行 谷垣財務相秘書官/谷垣専一次男/
時乗武雄 陸軍少佐/陸士48期、陸軍大学校卒








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●参考文献
日中の架け橋―影佐禎昭の生涯」浅田百合子
揚子江はいまも流れている」犬養健
謀略の昭和裏面史―特務機関&右翼人脈と戦後の未解決事件!」黒井文太郎/編著
昭和史の軍人たち」秦郁彦
聞書 わが心の自叙伝」松本重治/著、加固寛子/聞き手
上海時代」松本重治
日本陸海軍総合事典」秦郁彦/編

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